光通信がシックHDを完全子会社化(2022/1/18公表)

光通信が100%子会社のHCMAアルファを公開買付者として、連結子会社であるシック・ホールディングスをTOBで完全子会社化することを公表しました。

案件概要

光通信は現在シックHDの株式を約51.9%保有し連結子会社としていますが、今回光通信の100%子会社であるHCMAアルファを公開買付者としてシックHDにTOBを行い、HCMAアルファの完全子会社にするとのこと。光通信はTOBに応募することを口頭合意するとともに、シックHDの第4位株主であるフルキャストHD(所有割合:2.3%)と第10位株主である菊井聡氏(所有割合:0.7%)との間で応募合意契約を締結したとのこと。光通信含めて応募合意しているのは合計54.78%。なお、下限は55.57%に設定しており、応募合意した株主以外で1%の応募があればTOBは成立する形となっています。TOB価格は1株当たり730円で、公表日前営業日終値に対して44.55%、過去1か月、3か月、6か月の終値平均に対してそれぞれ42.86%、30.12%、14.60%のプレミアムとなっており、6か月平均でみるとややプレミアムが薄い印象。光通信のFAは不明ですが、リーガルアドバイザーとして大手法律事務所の森濱田松本法律事務所を起用しているのが目を引きます。TOB代理人はSBI証券を起用。対象者サイドの専門家はプルータスを算定人、リーガルアドバイザーとしてTMIを起用しています。

案件の特徴①:下限が3分の2未満に設定されている

完全子会社化を行う場合は、TOB後のスクイズアウト手続きにおいて株主総会の特別決議を通すために3分の2の議決権を確保する必要があり、一般的なTOBの買付株数の下限としてはその3分の2の議決権を基準に設定されますが、本件ではそれを下回る設定になっています。過去にオリバーのMBOなどの事例がありますが、なんとしてでもTOBを成立させたいという思いが感じられます。

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