清水建設による日本道路の連結子会社化(2022/2/9公表)

案件概要

最大手ゼネコンの一角の清水建設が清水建設系の道路舗装大手の日本道路(東証1部:1884)をTOBで連結子会社化すると発表。清水建設は日本道路の議決権を24.8%所有し持分法適用関連会社にしており、今回TOBを通じて連結子会社化する。買付金額は最大222億円。

TOBの主な条件

TOB価格:1株当たり10,000円
プレミアム:公表日前営業日、過去1か月、3か月、6か月終値平均に対してそれぞれ19.2%、19.9%、22.1%、21.7%
下限:2,220,200(25.3%)
上限:2,220,200(25.3%)
TOB期間:2022年2月10日~2022年3月22日(26営業日)
応募合意/不合意:なし

算定内容

買付者側算定(野村証券)

市場株価法:8,191円~8,390円
類似会社比較法:5,582~7,435円
DCF法:9,377円~13,962円

対象者側算定(みずほ証券)

市場株価法:8,191円~8,390円
類似会社比較法:4,176~8,100円
DCF法:8,340円~15,877円
割引率:-、永久成長率:-

バリュエーション水準

TOB価格ベースの各種マルチプルは以下の通り

修正株式価値:87,895M、EV:63,849M
EV/EBITDA(今期):5.0x、PER(今期):14.6x、PBR(直近四半期):0.94x

案件関係者

買付者FA:野村証券
買付者リーガルアドバイザイー:西村あさひ法律事務所
TOB代理人:野村証券
対象者FA:みずほ証券
対象者リーガルアドバイザー:外苑法律事務所

所見

20%程度のプレミアムで応募が集まるのかは疑問の余地があるところ。通常は確実性を担保するために応募合意を取りに行くか、不足分を第三者割当増資で補う事例が多いですが、本件では出たとこ勝負になっています。2018年から大量保有報告書を出しているシンプレクス・アセット・マネジメントが直近だと2021年12月に変更報告書を出しており、議決権ベースで16.7%保有していることも関係しているのかもしれませんが、応募合意をしていないので売るかどうかは微妙です。親子上場解消の流れの中で、一旦連結子会社にとどめたのは資金的な理由でしょうか。バリュエーション的にはこの価格であれば100%狙っても良かったようにも思います。

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