アイ・オー・データ機器のMBO(2022/2/9公表)

案件概要

ストレージ、モニター等PC周辺機器大手のアイ・オー・データ機器(東証1部:6916)がMBOを実施することを公表。対象者の代表取締役会長である細野昭雄氏が設立する買収SPCを公開買付者としてアイ・オー・データ機器に対してTOBを行う。買付金額は最大142億円

TOBの主な条件

TOB価格:1株当たり1,300円
プレミアム:公表日前営業日、過去1か月、3か月、6か月終値平均に対してそれぞれ45.9%、69.5%、65.8%、52.1%
下限:7,256,698株(55.97%)(第二位株主のIO DATA財団の15.4%は不応募でそれと合わせて3分の2を上回る水準)
上限:なし
TOB期間:2022年2月10日~2022年3月28日(30営業日)
応募合意/不合意:細野昭雄会長(19.4%)、細野幸江氏(5.9%)、有限会社トレント(2.1%)については応募合意、IO DATA財団(15.4%)については不応募合意

算定内容

対象者側算定(フロンティアマネジメント)

市場株価法:767円~891円
類似会社比較法:266円~888円
DCF法:909円~1,616円
割引率:6.45%~6.95%、永久成長率:-0.25%~0.25%
EBITDAマルチプル:3.8倍~4.8倍

バリュエーション水準

TOB価格ベースの各種マルチプルは以下の通り

修正株式価値:16,855M、EV:16,120M
EV/EBITDA(今期):14.2x、EV/EBITDA(来期):7.4x、PER(今期):42.1x、PBR(直近四半期):0.59x

公正性担保措置の採用状況

  1. 対象者での算定書の取得
  2. 対象者での法律事務所からの助言
  3. 特別委員会の設置
  4. 利害関係のない役員の全員一致での決議
  5. TOB期間を30営業日以上確保
  6. MoMに基づく下限の設定

案件関係者

TOB代理人:大和証券
買付者LA:AMT
対象者FA:フロンティアマネジメント
対象者リーガルアドバイザー:潮見坂総合法律事務所
LBOローン提供銀行:三井住友信託銀行
エクイティ出資者:対象者代表取締役会長

所見

応募合意合計が27.4%で不足分は28.6%。4位のマクセルHD、7位の北國銀行は応募するとして8.1%で、残り20.5%が集まるかどうか。開示されたFCFと割引率・永久成長率で計算すると代表値2,325円になる感じからすると価格は割安な印象もなくはないですが、EV/EBITDAで今期14.2倍、来期7.4倍なのでそこまで悪いとも言い難い水準。TOB価格ベースの修正PBRが0.59なので、横やり入る可能性は残る感じ。

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