インテグラルによるシノケングループのMBO(2022/8/10公表)

案件概要

インテグラルの支援を得てアパートなどの不動産の開発販売を手掛けるシノケングループ(東証スタンダード:8909)がMBOを実施することを公表。創業者の篠原英明氏は保有する株式約22%のうち一部は応募し、残りを不応募として最終的にインテグラルが92%、篠原氏が8%程度を出資する形を想定。買付金額は約533億円。

TOBの概要

TOB価格:1株1,600円
プレミアム:公表日前営業日の終値に対して45.59%、過去1か月、3か月、6か月終値平均に対してそれぞれ49.39%、57.33%、57.33%
TOB期間:8月12日(金)~9月26日(月)(30営業日)
決済日:10月3日(月)
下限:21,509,600株(62.87%)、上限:なし
TOB代理人:SMBC日興証券、SBI証券

スキーム

インテグラルは0%、創業者の篠原氏は22.31%、少数株主が77.69%
TOB終了後は、株式併合によりスクイズアウトを行い、インテグラルと篠原氏のみの株主にする
その後、買収SPCを存続会社、シノケングループを消滅会社とする吸収合併を行いインテグラルが92%、篠原氏が8%の出資比率にする予定とのこと

算定内容

対象会社側算定(クレディスイス証券)

市場株価法:1,017~1,099円
類似会社比較法:879~1,881円(類似会社はプレサンスコーポレーション、ケイアイスター不動産、三栄建築設計及びエスリードの4社で、EV/EBITDA、PERを採用)
DCF法:1,285~1,748円
割引率:6.1%~7.1%、継続価値はEV/EBITDAで算出しマルチプルは3.5~5.0倍を採用

ファイナンス

新生銀行から合計494億のローン調達。エクイティがインテグラルから合計140億円の出資を受ける予定。

案件関係者

買付者側FA:なし
買付者側リーガルアドバイザイー:MHM
対象者側FA:クレディスイス証券
対象者側リーガルアドバイザー:AMT

所見

テレビCMをバンバン売ってたシノケンのMBO。TOB代理人がSMBC日興証券だけでなくSBI証券もいるのが気になりましたが、レンダーとして新生銀行が入っていることから早くも新生銀行の子会社化の効果が出ているという状況でしょうか。

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